発行年:	2013
発行元:	東京都写真美術館
サイズ:	180×185mm
仕　様:	276頁

世界のあらゆる領域でこれまでの枠組みに対して疑問を抱き始める1960年代後半。それは写真の世界でも同様に、「写真」の独自性とそれを正当化する「写真史」への問いかけの始まりであった。日本において「1968年」は、日本写真家協会による「写真100年?日本人による写真表現の歴史展」、多木浩二、中平卓馬、高梨豊らによる写真雑誌『プロヴォーク?思想のための挑発的資料』の創刊、日常への私的なまなざしをもつ若い写真家たちの動向を「コンポラ写真」と紹介した『カメラ毎日』の特集など、今日の「写真」の社会的な枠組みを考える上で重要な出来事が集中して現れた。
本展では「1968年」を中心に、「写真とは」「日本とは」「近代とは」を問う。

目次
1．「クロニクル一九六八?「写真」の近代を変革するために」金子隆一（東京都写真美術館専門調査員）
2．図版
3．「見出された「記録」の在処?「写真の100年」再考」土屋誠一（美術批評家/沖縄県立芸術大学講師）
4．「挑発の回路?『プロヴォーグ』の道程」小原真史（IZU PHOTO MUSEUM研究員）
5．「曖昧さの射程?コンポラ写真と『カメラ毎日』の時代」富山由紀子（東京大学大学院博士課程）
6．「行為としての写真?全日本学生写真連盟の成立と最初の変革」金子隆一
7．作家解説
8．年表
9．掲載作品リスト

■掲載作家(50音順)
荒木経惟／石黒健治／稲越功一／梅阪鶯里／遠藤陸郎／小川月舟／菊地東陽／北井一夫／桑原甲子雄／小石清／牛腸茂雄／篠山紀信／末永蒼生／鈴木清／関口正夫／高梨豊／多木浩二／武林盛一／田中長徳／田村彰英／田本研造／東松照明／内藤正敏／中平卓馬／新倉孝雄／野島康三／馬場八潮／浜田徹／淵上白陽／森山大道／柳沢信／山端庸介／ユニット’69／横山松三郎／渡辺克巳／渡辺眸