発行年: |
2022.9 |
|
エディション: |
150 |
|
デザイン: |
川村格夫 |
|
備 考: |
音源ダウンロードコード付き |
|
梅沢英樹と佐藤浩一による、タイランド・ビエンナーレ コラート2021に出展されたインスタレーションのためのサウンドをもとに、梅沢と音楽家の荒井優作によって再構成されたサウンドトラック。
展覧会のキュレーターを務めた長谷川祐子氏との対話の中で"映像と音楽におけるシニフィエとシニフィアンが巧妙にずれていく構造が必要である"という示唆を受け、作品制作の過程における大きな主題の1つとなりました。それは、映像の中で人物がPCを操作する様子がプリペアド・ピアノの演奏になぞらえられるなどの方法によって、詩的な飛躍や、映像と音の単一的な対位法からの脱却が試みられています。
埋没林の奥底から浮かび上がる気泡の弾ける音や、水源地でのフィールド・レコーディングは都市部の生活音と対比的に挿入され、不明瞭な持続音は人工湖に拡がる霧や、夜の森の中へと迷い込むような感覚を想起させます。また、荒井優作の作品における、擦弦楽器が徐々に変調を帯びていく様子は、私たちが必要とする新しい感覚性の一端を表している様に感じられます。
●梅沢英樹+佐藤浩一
梅沢英樹(1986-)と佐藤浩一(1990-)は自然環境と産業などの関係性についてフィールドワークやリサーチを行い、映像とサウンドを組み合わせたインスタレーションやパフォーマンスを展開している。これまでの活動に、2019年の国際芸術センター青森でのパフォーマンスのほか、2021年「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」(NTT インターコミュニケーションセンター[ICC])、2021-22年「タイランド・ビエンナーレ」など。
●荒井優作
音楽家 1995年生まれ。神奈川県出身、京都府在住。 早稲田大学社会科学部社会科学科卒業。
HIPHOP/R&Bのプロデューサーとしてデビュー。 表象になり得ないものとしての「音楽」について興味がある。
●川村格夫
自身のデザイン活動と並行しながら、2010–11年まで埼玉県北本市の臨時職員としてさまざまなデザインを手掛ける。2015–16年には文化庁在外研修制度でニューヨークに滞在。近年では、ポーラ美術館「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」展、神奈川県立近代美術館葉山「アレックス・ソス」展などのチラシ、ポスター、カタログなどのデザインを手掛ける。
NADiff Window Gallery vol.83
梅沢英樹 + 佐藤浩一
「沈潜 – ミスト フロム アーティフィシャル レーク」
2022.09.08[木]—2022.10.02[日]