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地上で起きた出来事はぜんぶここからみている

河野聡子

著者: 河野聡子
デザイン・編集: 山本浩貴+h
発行年: 2017年7月17日
発行元: いぬのせなか座
仕 様: 判型:182mm×182mm 本文2色刷り
頁 数: 106頁
いぬのせなか座叢書 第二弾
 
詩を中心に言語作品の多様なあり方を探求し、パフォーマンスやインスタレーションの制作、他ジャンルのアーティストを巻き込んだプロジェクトの実施のほか、絵のないマンガ雑誌『トルタのマンガ』や、国語教科書のパロディ『トルタの国語』シリーズ、97人の詩人が参加したアンソロジー詩集『現代詩100周年』の刊行など、多彩な活動を展開しているヴァーバル・アート・ユニット「TOLTA」。 その代表である河野聡子による詩=テキストを、山本浩貴+h(いぬのせなか座)が編集・デザインするかたちで制作された本詩集『地上で起きた出来事はぜんぶここからみている』は、書物を作る過程・読まれる過程を通じて、新たな共同制作の技術や場の生成、伝達を試みるシリーズ「いぬのせなか座叢書」の第二弾として計画された。
〈五時のアフリカ〉のライオンやサイやシマウマが〈五時のスーパー〉の私を駆け抜けていく「紙飛行機」、東日本大震災直後にアンスティチュ・フランセ東京にて〈上演〉された大作「代替エネルギー推進デモ」、あらゆるものがみかん変換を起こす宇宙からナワトル語をつぶやく私が脱出する物語「Cītlallohtihca(星々のあいだに立つ)」、異なる生き物どうしが異なる生の時間を経て相互に変身しあう「クマの森」、地獄から地上を見つめる自殺した人々の視線を描く「アンダーグラウンド・テレビジョン」など、全17作を収録。
さらに、付属する栞小冊子には、いぬのせなか座メンバーによる『地上で起きた出来事はぜんぶここからみている』をめぐる座談会が掲載。詩のテキストの細密分析をベースに、時に編集・デザインの制作意図の開陳とその有効性の検証もはさみつつ、制作における〈私〉と作品の関係や、詩にとってデザインとは何か、全体主義の問題、人類学の議論を参照した新たな詩論の試みなど、多方面に渡って濃密に行われた約40日、4万字に及ぶ議論が、「本詩集を道具・実験場として行われる共同的思考の一例」として提示される
 
小冊子付属:「いぬのせなか座 座談会5 2017/05/21→2017/07/02『地上で起きた出来事はぜんぶここからみている』をめぐって」