発売日: |
2022.7.20 |
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発行元: |
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 |
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著 者: |
川内理香子 |
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協 力: |
WAITINGROOM、芦川朋子、小林舞衣 |
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執 筆: |
蔵屋美香(横浜美術館 館長) |
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インタヴュアー: |
中島水緒 |
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デザイン: |
尾中俊介(Calamari Inc.) |
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サイズ: |
B5変型 |
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仕 様: |
288ページ、上製、題簽貼り、箔押し |
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川内理香子は、2015年の資生堂ギャラリー展示において最年少でshiseido art egg賞を受賞するなど、美術大学在学中から頭角を表し現在も注目を集める新進気鋭のアーティストです。昨年は「TERRADA ART AWARD 2021」のファイナリスト展に選出、今年も「VOCA展2022」で最高賞のVOCA賞を受賞しました。
川内が描く表情豊かな「線」は、ドローイングに始まり、厚塗りした油彩の層を引っ掻くように描くペインティング、キャンバスに針金を施した作品や、ゴムチューブ、ネオン管、粘土などを用いた立体へと、彫刻的な空間表現に奥行きをみせます。子供の頃から抱く食と身体への違和感をテーマに、人間の文化の始まりは料理にあると説いたフランスの社会人類学者/民族学者、クロード・レヴィ=ストロースの『神話論理』の神話の世界に出てくる動物などをモチーフにしたペインティングなど、多数の作品を発表しています。
本作品集は、2020年に発行したドローイング集『drawings』(WAITINGROOM)に続き、2冊目の刊行となります。ドローイングに加え、ペインティング、彫刻作品を含む2014年から最新作までの約150点を収録。ペインティングは、引っ掻いたような強いタッチ、何層にも塗り込んだ絵具の層が、生々しい迫力を持って見るものを圧倒します。蛍光色も多用するペインティングの彩度にもこだわり、その色彩を印刷でも再現しました。
そのほか、川内の身体観に様々な観点から着目した蔵屋美香氏の論考、幼少期から今後の展開までを取材した最新のインタビューも収録しており、これまでのアーティスト活動の集大成とも言える1冊となっています。
川内理香子 / Rikako Kawauchi
1990年東京都生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業後、同大学の大学院を修了。現在東京を拠点に活動。「身体」という根源的なテーマを原点に、生々しい身体的行為のひとつである「食」や「セックス」などが持つ肉体的・心理的な相互関係や、コミュニケーションのなかで見え隠れする自己や他者の曖昧な関係性などを作品のモチーフとして制作。ドローイングやペインティングだけでなく、針金や樹脂、ゴムチューブ、ネオン管など硬質なメディアを駆使する。
多摩美術大学在学時より、「第1回CAF ART AWARD 2014」やマネックス証券主催の公募展「ART IN THE OFFICE 2014」、資生堂が若手アーティストを支援する公募展「第9回shiseido art egg」(2015)で賞を受賞。
近年の個展に、「Tiger Tiger, burning bright」(WAITINGROOM、東京、2018)、「human wears human / bloom wears bloom」(鎌倉画廊、神奈川、2018)、「Something held and brushed」(東京妙案ギャラリー、2017)など。国内外のアートフェアにも参加するなど発表の場を広げている。