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Tagged: 遠藤水城, 蓮沼執太の選書50

Critique

陸の果て、自己への配慮

遠藤水城

発行年: 2013.1
発行元: pub
サイズ: 四六判
仕 様: 糸縢り並製、160頁
デザイン: 尾中俊介 [Calamari Inc.]
「海を左手にただ進むこと。死者と夜に同化すること。陸の果てに辿り着くこと。」 かつて、太宰治が袋小路と呼んだ竜飛岬を出発し、まだ震災の爪痕が残る真冬の東北の海岸沿いをひたすら徒歩で南へ下った筆者が、63日間の出来事を暗闇の中手探りで記述したノート〈一月六日 − 三月七日〉、そして〈三月八日〉の二部構成。冒険でもなく、探検でもなく、ただ「正しく絶対的に怖れる」ために歩き続けた筆者が辿り着いたさき、そこはこの世界にあってはならない場所「陸の果て」だった。

遠藤水城│えんどうみずき
1975年札幌生まれ。インディペンデント・キュレーター。2005年、若手キュレーターに贈られる国際賞「Lorenzo Bonaldi Art Prize」受賞。国内外で展覧会等の企画多数。インタビュー集に『アメリカまで』(とんつーレコード、2009年) 、編著書に『曽根裕:Perfect Moment』(月曜社、2011年)、共訳書に『ルーツ − 20世紀後期の旅と翻訳』(月曜社、2002年) がある。女子美術大学および京都精華大学にて非常勤講師。国際美術評論家連盟会員