発行年: |
2016.5月下旬
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発行元: |
torch press |
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書籍企画・設計: |
田中功起(ARTISTS' GUILD)+影山裕樹(NPO法人 芸術公社)
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英 文: |
奥村雄樹(ARTISTS' GUILD)+Art Translators Collective
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サイズ: |
A5判変型 |
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仕 様: |
168頁/ソフトカバー |
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デザイン: |
仲村健太郎 |
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あなたは自主規制の名のもとに検閲を内面化しますか
芸術環境の向上を目指して実験的な取り組みを展開する組織、ARTISTS' GUILDのメンバーであるアーティストが「規制」「検閲」という問題について、現代美術とは異なる分野の人々らと共に対話と議論を重ねた5つのインタビューを収録。芸術表現の現場と、哲学、建築、報道、演劇、歴史研究のフィールドを往復しながら、自主規制や自己検閲についてを多層的に捉えるコンテンツで構成される。
本書はARTISTS’ GUILDと、NPO法人 芸術公社のメンバーによって編集され、英文はARTISTS’ GUILDとArt Translators Collective が協働で行っている。
「私たちは今の社会の中で、自由に発話している、と思っている。しかし私たちの自由は、いったいどの程度、自由なのだろうか。あなたは本当に自由に発話しているだろうか。あなたのその自由は社会の抑圧との交渉の中にあるとは言えないだろうか。あなたは、自主規制の名のもとに、自らを検閲していないだろうか。あるいは、あなたが自由に発話できたとして、その自由はほかの誰かを傷つけてはいないだろうか。」(本書まえがきより)
【目次】
−イントロダクション
−あなたは自主規制の名のもとに検閲を内面化しますか
−インタビュー01 “ 哲学”
自覚的に弱さの中で揺れ続ける 倫理について
柳澤田実(哲学、キリスト教研究)× 田中功起
−キーワード01 心理実験作品の倫理的チェックポイント
文:作田知樹
−インタビュー 02 “ 歴史”
1ミリもずらさずに抵抗する (自己)検閲について
大谷芳久(現代美術画廊「かんらん舎」オーナー)× 藤井光
−キーワード02 東京都平和祈念館(仮称)について
文:大舘奈津子
−インタビュー 03 “ 報道”
あくまでも考える材料を提供する 問いかけることについて
圡方宏史(『ヤクザと憲法』監督)× 小泉明郎
−キーワード03 報道における「公共性」の問題
文:影山裕樹
−インタビュー 04 “ 演劇”
乱数を発生させる 演出について
高山明(Port B)× 津田道子
−キーワード04 インナーシティーにおけるアートとジェントリフィケーションの問題
文:檀原照和
−インタビュー 05 “ 建築”
不特定多数の人の目にさらされる 作ることについて
岡啓輔(蟻鱒鳶ル)× 増本泰斗
−キーワード05 サグラダ・ファミリア建設をめぐる問題
文:榊原充大
−ARTISTS’ GUILD について
−あとがき
ARTISTS' GUILD PROFILE
アーティスト自らが立ち上げた芸術支援の新しい可能性を模索する社会実験の一形態です。2009年に制作や展示における個々の経済負担の軽減を図るために映像機器の共有システムを立ち上げ、2013年には合同会社AGプロダクションズを設立し。展覧会や関連イベントの映像記録を請け負い、会社組織としても<芸術>に関わっていくことを実践しています。
http://artists-guild.net/